
ファシリティマネージャーインタビュー
Colleは誰かの一歩に触れることで、また次の一歩が生まれていく場所
早稲田大学4年生(2026.3当時) 秋山晴香
略歴
群馬県高崎市出身。高崎から通いながら都内の大学で建築を学び卒業。大学二年時に大学の先輩2名が営むSHIRAI ARCHIECTSを知り、アルバイトスタッフとして約3年間様々な案件に携わる。
Colleの計画に参加したきっかけを教えてください
大学四年の終盤に、代表の白井さんからお声掛けいただいたことがきっかけです。その頃にはすでに施設の大枠の方向性は決まっていたと思うのですが、この施設の趣旨を理解し、具体的に立ち上げていく上で適任だと声をかけていただきました。
卒業後の進路自体は、学生時代に触れてきた建築とは全く異なる業種なのですが、卒業した後もデザインやまちづくりのような領域とは接点を持ち続けていたいと思ってい ました。また、自分自身にとっても、Colleの運営を通して経営や開業について学べる、ありがたい機会だと思い、参加することを決めました。
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Colleという場所を、最初にどのように感じましたか?
はじめにこの場所の概要を聞いたとき、高崎にはありそうでなかった施設だなと感じました。単なるシェアキッチンではなく、利用者の方に本格的にお店を営んでもらう形の事業支援施設は、都心では少しずつ増えている印象がありますが、このような地方ではまだあまり聞いたことがありません。
私の周囲にも、「いつかカフェや飲食店を経営してみたい」と思っている人や、今あるお店で新しい挑戦をしようとしている人たちがいます。この狭いコミュニティの中ですらそういう人がいるのだから、この地域にはもっとたくさん、同じように夢や挑戦したい気持ちを持っている人がいるのではないかと思いました。
チャレンジの仕方は人それぞれですが、そんな人たちにとって、挑戦へのアプローチの選択肢が一つ増えることは面白いことだと思いましたし、この地域に新しい価値を加えられる場所になるのではないかと感じました。
ロゴやカラースキームを考える上で、意識したことはありますか?
親しみやすさを持ちつつも、どこか真面目で、挑戦に向き合う真剣さを感じられる雰囲気を意識していました。
Colleは、利用者の方にとって「挑戦のハードルを下げて、一歩を踏み出しやすい場所」であってほしいと思っていますし、地域の方々にとっても、気軽に立ち寄れて愛される場所にしたいと考えていました。そのため、全体のカラーはグレージュやベージュ、ホワイト系をベースにした、柔らかく明るいトーンでまとめています。
ただ、親しみやすさだけを重視するのであれば、もっとポップな雰囲気に寄せる方向性もあったと思います。しかし、Colleは単にワイワイと利用するシェアキッチンではありません。この場所で挑戦される方は、楽しい経験だけでなく、「今日は一人もお客さんが来なかった」といったような厳しさを感じる瞬間もあるかもしれません。私は、Colleはそうした経験も含めて、自分のお店や挑戦と向き合う力を育てていく場所でもあると思っています。
そのため、柔らかい雰囲気の中にも少し芯の強さやメリハリを感じられるように、ホームページなどの運営ツールの差し色はグリーンで統一しました。また、七字さんが提案してくださったロゴデザインの中でも、この山のモチーフは、そうした「挑戦」や「乗り越えていくこと」のニュアンスを感じられ、自分のイメージにとても近かったため、最終的にこのデザインを選びました。今ではとても愛着を持っています。

七字さんのロゴデザインプレゼンテーションを受け、方向性を思案する
Colleのような地域の小さな場所に、デザインはどんな役割を持つと思いますか?
Colleは、小さいだけでなく、住宅街の一角にあって、気に留めなければそのまま通り過ぎてしまうような場所にあります。さらに、この建物自体も、もともとは古さゆえに状態があまり良くなく、人が自然と集まるような場所とは少し離れた存在でした。
だからこそ、丁寧な素材選びや空間づくり、密度のあるデザインを通して、この場所自体の価値を高める工夫が必要だと感じています。外から見て、「なんだか綺麗で居心地の良さそうな建物があるな」と思ってもらえるだけでも、とても意味のあることですし、それはデザインだからこそできることだと思います。
また、小さい場所だからこそ、訪れた方は店内のより多くの部分を見たり、触れたりすることになります。そうした距離感の近さもあり、細部までこだわることで、ただ店内で飲食をする以上の価値や体験を提供できるのではないかと考えています。
Colleでは、ひとつひとつ丁寧に素材を選び、神代杉という特別な木材を使ったカウンターやヒノキの天板テーブル、鉄の加工工程で手を止めたフレームでできた椅子など、「こんな風に素材が使えるんだ」と感じてもらえるような、少しユニークな要素も取り入れています。そうした細かなこだわりも含めて、訪れた方に楽しんでいただけたら嬉しいです。
Colleは今後どんな場所になっていくと思いますか?
利用される事業者の方同士や、訪れる地域の方々も含めて、みんなで刺激を与え合いながら成長していける場所になってほしいと思っています。
誰かの夢や挑戦に実際に触れることで、「自分も頑張ってみよう」と前向きな気持ちになることってありませんか?Colleは、利用者の方それぞれの挑戦が集まる場所だからこそ、利用者の方同士でも、訪れてくださるお客さんとも、そうした前向きなエネルギーを共有できる場所になればいいなと感じています。
私自身も、今回初めてこうした企画や運営に携わり、HP制作をはじめ、本当に何から何まで手探りで進めてきました。なので、Colleは私自身にとっても挑戦の場になっています。
今後は、利用者の方々とも関わりながら、一緒にこの場所を育てていけたら嬉しいです。
この経験を通じて生かしたいことはありますか?
私は今回、主にColleの事業内容やHP、SNSなど、広報に関わる部分を担当しています。
その中で常に意識していたのは、「相手にどう伝わるか」「どんなサービスだったら嬉しいと感じてもらえるか」という視点です。建築分野に限らず、どんな仕事でも、誰かの立場に立って考えながら意思決定をしていくことはとても大切なことだと思っています。
一方で、相手の視点だけを考えていれば上手くいくわけでもなく、理想とのバランスの難しさを感じる場面も多くありました。今回主体的に悩みながら試行錯誤した経験は、今後どんな仕事をする上でも活きてくるのではないかと思っています。
